再生医療は「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」にもとづき、あらかじめ提供計画を厚生労働大臣に届け出たうえで実施することが定められています。当院もこの手続きを経て治療を提供しています。
LAW
再生医療等安全性確保法とは
2014年に施行された法律です。それまで再生医療は、実施するにあたっての共通のきまりが十分に整っていませんでした。この法律によって、治療を行う医療機関があらかじめ計画を届け出て、第三者の審査を受ける仕組みができました。
この法律では、再生医療を人の生命や健康に与えるリスクの大きさによって第1種・第2種・第3種の3つに分けています。分類によって、審査を行う委員会の種類や届出の手続きが変わります。分類が高いものほど、より慎重な審査が求められます。
医療機関は、治療ごとに「再生医療等提供計画」を作成し、厚生労働大臣が認定した認定再生医療等委員会の審査を受けます。委員会には医療の専門家だけでなく、法律や生命倫理の専門家、一般の立場の委員も加わります。審査を通過した計画を厚生労働大臣に届け出て、受理されて初めて治療を提供できます。
届け出られた計画は、厚生労働省の「再生医療等提供機関一覧」で公開されています。どの医療機関がどの治療を届け出ているかは、どなたでもご確認いただけます。
NOTIFICATION
再生医療等提供計画の届出

当院が提供している治療についても、それぞれ計画を作成し、認定再生医療等委員会の審査を経て厚生労働大臣に届け出ています。治療を受けられる前に、計画の内容と番号を書面でご確認いただけます。
| 治療 | 再生医療等提供計画の名称 | 種別 | 計画番号 | 受理日 |
|---|---|---|---|---|
| 培養幹細胞治療 | 自家脂肪組織由来の培養間葉系幹細胞を用いた関節疾患の治療 | 第二種 | PB3250085 | 2025年6月17日 |
| PRP治療(関節内) | 自家多血小板血漿(PRP)を用いた慢性関節炎の治療 | 第二種 | PB3250086 | 2025年6月17日 |
| PRP治療(関節外) | 自家多血小板血漿(PRP)を用いた筋肉、腱、靭帯、筋膜の損傷及び慢性炎症の治療 | 第三種 | PC3250064 | 2025年6月17日 |
| 幹細胞点滴療法 | ヒト自己組織由来間葉系幹細胞を用いた慢性疼痛緩和治療 | 第二種 | PB3250162 | 2025年9月10日 |
- 審査を行った認定再生医療等委員会:JSCSF再生医療等委員会(認定番号 NA8230002)。幹細胞点滴療法のみ CONCIDE特定認定再生医療等委員会(認定番号 NA8160002)。
- 細胞培養上清液(StemSup®)治療は細胞そのものを投与しないため、再生医療等安全性確保法の提供計画の対象外です。
RISK
リスク・副作用
ご自身の細胞や血液を使う治療でも、リスクがないわけではありません。
当院で行う再生医療は、ご自身から採取した血液や脂肪を用います。他人の細胞を使う治療と比べて、体が異物として反応することは起こりにくいと考えられています。ただし、注射や採取という医療行為そのものに伴うリスクは残ります。次のような症状が出ることがあります。
注射した部位に起こること
- 痛み、腫れ、熱感、赤み
- 内出血
- まれに感染
- 関節に注射した場合、一時的に関節液がたまる
全身に起こること
- 発熱
- だるさ
- 吐き気
- まれにアレルギー反応
採血・脂肪採取に伴うこと
- 採血した部位の内出血、痛み
- 気分が悪くなる(迷走神経反射)
- 脂肪を採取した部位の痛み、腫れ、内出血
- 採取した部位に傷あとが残ることがある
治療の効果について
- 効果の現れ方には個人差がある
- 効果が感じられないことがある
- 効果が続く期間にも個人差がある
- 進んだ変形そのものを元に戻すものではない
注射のあと数日間、炎症による痛みや熱感が出ることがあります。多くは自然に治まりますが、痛みが強い場合、発熱が続く場合、腫れが増していく場合は、我慢せずご連絡ください。
治療ごとのリスクは、それぞれのページに記載しています。治療の内容によって、起こりうることと頻度は変わります。診察のときにも書面でご説明し、ご納得いただいたうえで同意書を取り交わします。
CONTRAINDICATION
受けられない方
次に当てはまる方は、リスクが高いため治療をおすすめできません。
- がんと診断された方、治療を受けている方
- 抗がん剤もしくは免疫抑制剤を使用している方
- 明らかな感染がある方
- 38.5℃以上の発熱がある方
- 1か月以内に同じ治療を受けたことがある方
- 重い合併症(心臓・肺・肝臓・腎臓の病気、出血しやすい状態、コントロールできていない糖尿病や高血圧など)のある方
- 薬剤性過敏症をおこしたことがある方
- その他、担当医が適さないと判断した方
状態が落ち着いており、医師が実施できると判断した場合はこの限りではありません。当てはまるかどうか分からない場合も、診察のときにお聞かせください。服用中のお薬がある方は、お薬手帳をお持ちください。
妊娠中・授乳中の方、妊娠を希望されている方は、あらかじめお申し出ください。治療の内容によってはお受けいただけないことがあります。
NOTES
治療にあたっての注意事項
- 再生医療は自由診療です。健康保険は適用されず、費用は全額自己負担となります。同じ日に受けた保険診療も自費扱いになる場合があります。
- 効果には個人差があります。すべての方に同じ結果が得られるものではありません。
- 未承認の医薬品等を用いる場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。国が承認した医薬品による健康被害を救済する制度で、承認を受けていないものは対象になりません。
- 適応の判断は、診察と画像検査のうえで行います。ご希望されても適応外と判断する場合があります。また、当日の体調によって実施を見合わせることがあります。
- 治療の前に、内容・リスク・費用を書面でご説明し、同意書を取り交わします。ご不明な点は、同意される前に何度でもお尋ねください。
- 治療のあとは、経過を確認するため定期的にご来院いただきます。
他の治療との比較や、費用のこともご相談ください。再生医療は、お薬・注射・リハビリテーション・手術といった選択肢のうちの一つです。ご自身の状態にとって何が適しているかを、一緒に考えます。






